2025年、世界経済は地政学リスクやインフレ圧力、金利変動などの不確実性に直面しています。その中で、日本株市場では安定した業績と成長性を兼ね備えた「ディフェンシブな成長株」への注目が高まっています。本記事では、最新の市場動向を踏まえ、注目すべきディフェンシブ銘柄を紹介します。
ディフェンシブ株とは?
ディフェンシブ株とは、景気の変動に左右されにくい業種や企業の株式を指します。具体的には、生活必需品、医薬品、公共事業などの業種が該当します。これらの企業は、経済の好不況に関わらず安定した需要が見込まれるため、投資家にとってリスクヘッジの手段として注目されています。
注目のディフェンシブ成長株
1. 日本たばこ産業(JT、2914)
JTは、国内外でたばこ事業を展開する企業で、安定したキャッシュフローと高配当が魅力です。2024年12月期第3四半期の売上収益は前年同期比11.0%増の2兆3,932億円、営業利益は同0.8%増の6,366億円と堅調な業績を維持しています。また、年間配当は194円が予定されており、配当利回りは約5.2%と高水準です。
2. 花王(4452)
花王は、石けんや洗剤などのトイレタリー製品を中心に展開する企業で、景気変動の影響を受けにくいビジネスモデルが特徴です。35期連続増配を予定しており、長期的な株主還元姿勢が評価されています。
3. 参天製薬(4536)
参天製薬は、眼科用医薬品の最大手であり、海外市場での成長が期待されています。2025年3月期は税引き前利益で前年比5割増を計画しており、業績の回復が見込まれています。
4. アシックス(7936)
アシックスは、スポーツ用品大手であり、特にランニングシューズで知られています。2024年第1四半期の売上高は前年同期比14%増、営業利益は同53%増と好調な業績を記録しています。また、ファッションブランドとのコラボレーション商品も成功し、若者層からの支持を集めています。
5. 浅沼組(1852)
浅沼組は、総合建設業を営む企業で、安定した業績と高配当が魅力です。ここ数年で株主還元に力を入れており、配当利回りは約6.9%と高水準です。また、自己資本比率も46%と健全な財務体質を維持しています。
投資家へのアドバイス
ディフェンシブな成長株への投資は、経済の不確実性が高まる中で安定したリターンを求める投資家にとって有効な選択肢です。ただし、各企業の業績や財務状況、配当方針などを十分に分析し、長期的な視点で投資判断を行うことが重要です。
市場の逆風が続く中でも、堅実な成長を遂げるディフェンシブ銘柄は投資家にとって魅力的な存在です。今後も、安定した業績と成長性を兼ね備えた企業への注目が高まることが予想されます。