東京証券取引所が12日に発表した直近の投資部門別売買動向によると、6月第1週(6月2~6日)も外国人投資家が現物株を3,985億円超買い越し、10週連続の積極投資継続中です 。この流れは、個人の売り越しと対照的に、日本株を巡る海外勢の強気姿勢が鮮明なことを示しています。
外国人投資家、買い越し継続の背景
- 円安・ドル高トレンド:円安ドル高が続き輸出企業の業績改善見込みが強まり、相対的割安感も背景に。
- 米国・欧州の金利動向:米国金融政策の持続的利上げ観測が続く中、円金利も上昇しつつあるが、海外資金の日本債券から株への再配分が進んでいる 。
大量買いされた日本株ランキング TOP5
以下、外国人投資家の買い越し額が多かった銘柄をランキング形式でご紹介します(予測ベース)。
順位 | 銘柄名 | 銘柄コード | 推定買越額(億円) | 注目ポイント |
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1 | 東京エレクトロン | 8035 | 約400 | 半導体製造装置で世界的な需要が高まり。TSMC熊本稼働の追い風も。 |
2 | アドバンテスト | 6857 | 約350 | 自動車・AI向け検査装置に強み。業績見通しが改善。 |
3 | キーエンス | 6861 | 約300 | FAセンサーで底堅い収益。ボラティリティ低下とともに上昇期待。 |
4 | ソニーグループ | 6758 | 約280 | ゲーム・音楽・映画の多角化戦略。海外売上増により投資資金流入。 |
5 | トヨタ自動車 | 7203 | 約250 | 米欧の電気自動車需要と円安メリットで構造的な強さあり。 |
※買越額は東証・JPX傾向分析と過去週のセクター比率から推定した概算です。
上位銘柄の見どころ
- 東京エレクトロン(8035)
熊本TSMC稼働や米中半導体投資激化が追い風となり、装置受注が旺盛。 - アドバンテスト(6857)
AI・EV関連の検査装置に需要集中。業績見通しの堅調推移と海外評価の上昇。 - キーエンス(6861)
製造業の自動化需要に加え、高収益モデルと海外売上拡大が評価材料。 - ソニー(6758)
コンテンツ事業のグローバル展開が奏功。米欧市場のゲーム・音楽ユーザー拡大を反映。 - トヨタ(7203)
EV/HV分野のリーダーシップに加え、為替メリットと新興国市場に強い地位。
投資家向け戦略アドバイス
- 短期トレンドに追随:外国人投資家の買い越しが続く限り、これら上位銘柄の上昇余地は維持。
- 割安株との比較:PER水準を確認し、割高感の出ている銘柄では適時利確を検討。
- ニュース・イベントウォッチ:半導体関連では米中・日中の政策、為替・金利動向が変動要因として影響を与える可能性。
- リスク分散の視点:海外投資家主導の資金流入には逆流リスクも存在。セーフティネットとして現金比率を確保。