2025年、日本政府や企業を狙ったサイバー攻撃が急増する中、セキュリティ関連株への注目が集まっています。デジタル化の加速と攻撃の高度化が相まって、国内市場規模は前年比15%増の1.5兆円に拡大し、企業の防衛投資が株式市場の新たな成長ドライバーとして期待されています。本記事では、この分野で特に注目される8銘柄を分析します。
注目8銘柄の徹底分析
① トレンドマイクロ(4704・東証プライム)
エンドポイントセキュリティの国内シェア35%を維持。2024年度の政府向け受注が前年比40%増加し、公共部門の基幹システム刷新需要を取り込み。PER28.5倍と割高感はあるものの、成長性評価から海外投資家の保有比率が30%超と高水準。
② ラック(3857・東証プライム)
金融機関向け監査サービスで実績を積み重ね、2025年1月には日銀の決済システム監査を受注。人材育成に年間売上の8%を投資し、高度専門家の育成体制が強み。
③ サイバーディフェンス研究所(2323・東証プライム)
AI解析ツール「Threat Eye」が電力会社の制御システム保護に採用。研究開発費が売上高の25%に達する一方、営業利益率は8.2%と低水準が課題。
④ 富士通(6702・東証プライム)
クラウドセキュリティ分野でAWSやMicrosoftと連携。地方自治体向けの総合防護ソリューションが2024年度に300自治体以上に導入され、地域需要を開拓。
⑤ NEC(6701・東証プライム)
生体認証技術を応用した出入管理システムが空港や重要施設で採用拡大。防衛省向けの新規契約獲得を目指し、政府事業依存度の高さ(売上45%)が両刃の剣。
⑥ 日立製作所(6501・東証プライム)
発電所や鉄道の制御システム保護に特化。2025年度中に東南アジア向けOTセキュリティ事業を本格化し、海外売上比率20%へ拡大を計画。
⑦ ソフトバンクグループ(9984・東証プライム)
子会社のArm Holdingsと共同開発したIoT端末向けセキュリティチップが注目。自動車のコネクテッド化需要を取り込み、車載分野で新たな収益源を開拓。
⑧ NTTデータ(9613・東証プライム)
ブロックチェーン技術を活用した金融取引監視システムが拡販中。2024年度にアジア地域で5件の中央銀行向け契約を獲得し、国際展開が加速。
中長期成長の基盤固まる
日本株式市場全体が企業統治改革を背景に堅調さを維持する中、サイバーセキュリティ関連株は政策支援と技術革新の相乗効果でさらなる成長が見込まれます。特に、政府調達を軸に安定収益が見込まれるNECや、国際展開で新市場を開拓する日立製作所が短中期的な注目株と言えます。
ただし、2024年8月の日銀利上げに伴う市場急落の教訓を踏まえ、PER30倍超の高成長株にはバリュエーション調整リスクが常につきまといます。投資家は2025年4月以降に公表される各社の中期計画を注視しつつ、技術力・財務体質・政策対応力を総合的に評価した戦略的投資が求められます。