2025年3月21日、花王株式会社(4452)はコーポレートガバナンス報告書を更新し、新たな中期経営計画「K27」の具体策を公表した。同計画では投下資本利益率(ROIC)11%超、経済的付加価値(EVA)700億円以上の達成を軸に、2027年までに海外売上高8,000億円(CAGR+4.3%)を目指す。
主要株主動向では、SIVBCが1.93%(897万株)、オアシス・オポチュニティーズ・ファンドが1.48%を保有。外国人投資家比率が30%超と国際的な関心の高さが窺える。3月22日時点で機関投資家からのESG関連質問が前年比18%増加しており、同社の脱炭素戦略やプラスチック包装削減への取り組みが注目を集めている。
ガバナンス改革では社外取締役5名中3名が女性で占められ、取締役会の女性比率30%を達成。報酬委員会では業績連動型株式報酬制度を導入し、ESG指標を30%加重する新体系を2024年度より適用開始した。内部監査部門を強化し、サプライチェーン人権デューデリジェンスを東南アジア工場で100%実施済みだ。
市場関係者は「ROIC経営の徹底と研究開発費2.4%増の組み合わせが収益性向上の鍵」と評価。SMBC日興証券アナリストは「グローバル・シャープトップ戦略でヘアケア分野の中国市場シェア5.7%獲得は確実視」と指摘する。みずほリサーチはESGスコアのFTSE4Good指数継続選定を材料に、PER16倍(業界平均14倍)の割高感を正当化するとの見解を示した。
決算面では2024年12月期連結営業利益が2,117億円(前年比+8.6%)と過去最高を更新。配当性向は35%維持の方針だが、自己株式取得枠を500億円に倍増し、株主還元の柔軟性を高める。為替リスクヘッジではドル建て売上高の70%を先物でカバーする新体制を導入した。
同社の株価は3月22日終値5,780円と年初来+12%を記録。東証のESG株価指数採用銘柄として機関投資家の積み上げ需要が持続しており、アナリスト予想平均目標株価は6,500円台後半と上値余地が残る展開だ。今後の焦点は6月の株主総会で提案予定の新事業分割計画と、米国子会社のIPO準備状況にある。